存在価値
私が自殺したと仮定。
誰もしてくれない感知。
発見時には腐敗が進行。
誰も処理したくない死体。
死んでもなお自己嫌悪。
最後の言葉が残された遺書。
そして読まれない手間の無駄。
誰も悲しまない現実。
心のなしに語られる私の性格。
報道される悲劇のヒロイン。
それはありえないという虚しさ。
涙のない形式だけの葬式。
スマホに残された画像。
ほとんど友達の写真。
自分と友達の写真は無。
いや、存在しない友達。
友達と錯覚していた顔見知り。
写真を撮るためだけの存在。
みんなのための便利な道具。
自殺して気づく悲しい事実。
また忘れられる命日。
誰も来ない墓参り。
ほとんど同じ孤独死。
せめてしたかった安楽死。
やり直す来世に期待。
どうせ叶わない願望。